物販店舗の設計標準

2.12.2 物販店舗の設計標準

(1)有効幅員、空間の確保等

① 試着室

  • 車椅子のまま入ることができるよう、試着室の床には段差を設けない。

  • 試着の際に靴の履き替えや腰掛ける必要がある場合には、広めの試着室を設け、手すり付きの椅子を用意することが望ましい。

  • 車椅子やベビーカーがそのまま試着室に入る広さ(120cm以上×90cm以上)を確保することが望ましい。

  • 試着室内に椅子を設ける場合には、車椅子使用者が容易に移乗できるよう、椅子の座面高を42~45cm程度とすることが望ましい。

  • 試着室の前室に介助者等の待合スペースを設けることが望ましい。

  • 車椅子のまま試着できるよう、店舗内通路やコーナーの一部にカーテン等による仕切りを設け、工夫することが望ましい。

留意点:複合店舗内の共用の試着室

  • 複合店舗で構成されている同一フロアや隣接店舗等において、広めの共用試着室を設けることは、複数の各店舗にとって効果的・効率的な取り組みである。

設計例

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(2)部品・設備等

① 商品棚等

  • 商品棚やハンガーラック等は、車椅子使用者が選びやすく、手に取りやすい高さ・奥行きとすることが望ましい。

商品棚の例 ハンガーラックの例

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② 休憩用設備

  • 高齢者、障害者等の休憩の用に供するスペースや設備(ベンチ等)を適切な位置に設けることが望ましい。

  • ベンチや休憩のためのスペースは、通行の妨げにならないように配慮する。

留意点:休憩用設備等

  • 長い通路や広い空間に接する場所に、ベンチ等の休憩用設備を設けると、一度に長い距離を歩行するのが困難な利用者が休憩することや、歩行負担を軽減することができる。

③ サッカー台

  • 車椅子使用者をはじめ、高齢者、障害者等が利用できるサッカー台(購入済みの商品を袋に詰めるための台)及びサービスローカウンターを1以上設ける。

  • 車椅子使用者が利用できるサッカー台及びサービスローカウンターの下端の高さは65~70㎝程度、上端の高さは70~75㎝程度、カウンター下部スペースの奥行きは45㎝以上とする。

  • カウンター・記載台については、2.14 C カウンター・記載台・作業台・事務机等を参照。

サッカー台の例 設計例

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