設計の考え方

設計の考え方

  • 高齢者、障害者等が、他の利用者と等しく外出・旅行等の機会を享受するための環境の整備が求められており、宿泊機能を有する建築物においては、バリアフリー法に義務づけられた「車椅子使用者用客室」(車椅子使用者が円滑に利用できる客室)を設けることや、一般客室において高齢者や障害者等も利用できるよう配慮することが求められている。

  • 車椅子使用者のみならず、健常者を含めた多くの利用者にとっても魅力ある車椅子使用者用客室や、高齢者、障害者等の利用に配慮した一般客室を設けることにより、稼働効率の良い客室配置が可能となる。

  • 宿泊機能を有する建築物の設計においては、客室のほかに、施設全体のバリアフリー対応として、道路や駐車場から客室に至る経路や共用スペース(レストラン、大浴場、共用便所等)の段差の解消や、フロントにおける車椅子使用者に配慮したカウンター設置、緊急時の避難動線の確保や情報提供等への配慮が求められる。また建築物のハード対応とあわせて、情報提供やサービス等のソフト対応、人的な対応の両面を考慮しつつ設計を行うことが重要である。

  • 高齢者、障害者等のニーズや要望等について、予約時や来訪時の質問に的確に応えることのほか、ホームページ等での事前のバリアフリーに関する情報提供(車椅子使用者用客室の有無やその仕様・寸法、備品の貸し出し等に関する基本的な情報)を行い、予約しやすさへの配慮を行うことが、施設管理者に求められる。

  • 高齢者、車椅子使用者以外の障害者、聴覚障害者、視覚障害者等が利用できるよう配慮した客室を整備することなど、施設全体で様々なバリアフリー対応を行うことは、施設管理者にとって、今後の利用者拡大につながる重要な取り組みである。