2.7.2 個別機能を備えた便房の設計標準
分散配置を考慮した個別機能を備えた便房
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(1) 共通する事項
① 設置数、配置
- 個別機能を備えた便房の位置は、他の便所と一体的若しくはその出入口の近くに設ける等、利用者が位置を把握しやすく利用しやすいものとする。
② 戸の形式
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手動式引き戸の場合、取っ手は棒状ハンドル式等、握りやすさに配慮したものとする。
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手動式引き戸の場合、取っ手は戸の内側の左右両側に設置することが望ましい。
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手動式引き戸の鍵は、指の不自由な人でも施錠の操作がしやすいもの(大型のレバーハンドル錠)とし、緊急の場合は外部からも解錠できるものとする。
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外開き戸の場合、開閉操作が円滑に行うことができるよう、扉に補助取っ手を設ける。
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内開き戸の場合、緊急時に戸を外せるものとする。
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便房の戸は、使用時以外には開いていることが望ましい。
留意点:戸の形式
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外開き戸とする場合は、奥に設ける等、利用者が衝突する危険がないよう配慮する。
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内開き戸は、利用者が便房内で倒れたとき等に、倒れた利用者の体が障害となり開けることができず、救出できないおそれがある。
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弱視者(ロービジョン)、色覚多様性等の利用者に配慮し、便房の戸には、戸の開閉や使用状況を色により表示する。
-
弱視者(ロービジョン)、色覚多様性等の利用者に配慮し、便房の戸には、使用中か否かを大きくわかりやすく、文字で表示することが望ましい。
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手動式引き戸の場合には、戸の開閉方法を矢印等で表示することが望ましい。
留意点:施錠を示す色
- 施錠を示す色は赤と青とすることが望ましい。
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設計例
③ 部品・設備等
- 設備は操作しやすいものとするとともに、わかりやすさにも配慮したものとする。
ア.便器
- 腰掛便座は、温水洗浄便座(温水でおしり等を洗浄する機能を持つ腰掛便座)とすることが望ましい。
イ.水栓金具
- 洗面器・手洗器の水栓金具は、レバー式、センサー式等の操作が容易なものとする。
ウ.手すり
-
腰掛便座の横の壁に手すりを設ける場合には、水平、垂直に取り付けることが望ましい。
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水平手すりは、腰掛便座の座面から20~25cm程度の高さに取り付ける等の配慮をする。
留意点:手すり
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手すりの設置により、便器洗浄ボタンや緊急通報ボタン、紙巻器等が利用しにくくならないよう注意する。
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弱視者(ロービジョン)や色覚多様性のある人等に配慮し、手すりは、手すりと壁との色の明度、色相又は彩度の差の確保に配慮して選定することが望ましい。
エ.紙巻器、ボタン
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腰掛便座の横壁面に、紙巻器、便器洗浄ボタン、呼出ボタンを設ける場合は、JIS S 0026(公共トイレにおける便房内操作部の形状、色、配置及び器具の配置)に基づくものとする。
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便器洗浄ボタンは、押しボタン式等の視覚障害者が触知しやすく誤作動しにくいものとする。
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便器洗浄ボタン及び呼出ボタン、各種設備の操作ボタンは、文字・図記号の見やすさ、背景の色の明度、色相又は彩度の差を選定し、分かりやすいボタン表示とする。
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ボタンは手指に障害のある人(巧緻運動障害等)でも押しやすい等、操作性に配慮したものが望ましい。
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紙巻器は手指に障害のある人(巧緻運動障害等)でも操作しやすいよう、片手で紙が切れる等、操作性に配慮したものが望ましい。
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視覚障害者が利用しやすいよう、同一建築物内においては、洗浄装置等の使用法や、ボタン等の形状・配置を統一することが望ましい。
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多様な利用者が安心して使える便所とするため、便器洗浄装置や温水洗浄便座本体等に表示する操作系ピクトグラムは、一般社団法人 日本レストルーム工業会の策定した標準ピクトグラムとすることが望ましい。
便器洗浄ボタン等の標準配置例(JIS S0026による) 設計例
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操作系ピクトグラムの例
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留意点:便房内の設備
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ボタンには、凹凸やふくらみ、へこみ、コントラストのある縁取り等をつけ、また、点字や浮き彫り文字、触覚記号等による表示を行う等、視覚障害者にわかりやすいものとすることが望ましい。
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ボタンがたくさんあり、どれが、どのボタンかわかりづらい場合があることから、利用状況が想定できる場合は、ボタンの数は必要最小限にとどめる。
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洗浄装置は、センサー式が使いやすい一方で、視覚障害者は触れることのできる形式の方が使いやすいため、センサー式の場合は、便器洗浄ボタンを併設する等の配慮をする。
設計例
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(2)車椅子使用者用便房
① 設置数、配置
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便所のうち1以上(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上)には、車椅子を使用者が円滑に利用することができる構造の便房(以下「車椅子使用者用便房」)を1以上設ける。
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便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)が設けられている階ごとに、当該便所のうち1以上に、車椅子使用者用便房を設けることが望ましい。
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多数の者が利用する大規模建築物に車椅子使用者用便房を設ける場合には、想定される利用者や施設用途等を考慮して、階ごとに下記に示す数(建築物移動等円滑化誘導基準の設置数)を設けて、車椅子使用者用便房の複数化に取り組むことが望ましい。
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便所が設けられている階の車椅子使用者用便房の数は、当該階の便房の総数が200以下の場合は当該便房の総数に1/50を乗じて得た数以上とし、当該階の便房の総数が 200を超える場合は当該便房の総数に1/100を乗じて得た数に2を加えた数以上とすることが望ましい。
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特に劇場・競技場等の客席・観覧席が複数階にわたる場合や、同時に多数の車椅子使用者が利用することが想定される施設では、複数の車椅子使用者用便房を設けることが望ましい。
留意点:国際パラリンピック委員会(IPC)基準(2013)による車椅子使用者が利用できる便房数
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車椅子使用者用客席(観覧席)15席に1か所以上の割合で、車椅子使用者用便房を設けると規定されている。
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排泄介助が必要な障害者(児)の脱衣・おむつ交換等に配慮し、1以上の車椅子使用者用便房は大型ベッド付きとし、異性による介助に配慮し男女が共用できる位置に設ける。
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劇場・競技場等、客席のある施設の車椅子使用者用便房の位置は、車椅子使用者用客席・観覧席から容易に到達できるものとする。
② 出入口の有効幅員、空間の確保等
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車椅子使用者用便房の出入口の有効幅員は、80cm以上とする。
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車椅子使用者用便房の出入口の有効幅員は、90㎝以上とすることが望ましい。
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車椅子使用者用便房及び当該便房が設けられている便所の出入口前には、車椅子使用者が直進でき、方向転回できるよう、140㎝角以上の水平なスペースを設ける。
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車椅子使用者用便房には、車椅子使用者が円滑に利用することができるよう十分な空間を確保する。なお、十分な空間とは、以下に示す事項を標準的な整備として設けるものとする。
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各設備を使用でき、車椅子使用者が360°回転できるよう、直径150㎝以上の円が内接できるスペース1を設け、かつ便房の標準内法寸法は200㎝以上×200㎝以上を基本とする。(ライニング等(洗面器の背後にある配管収納等)は内法寸法に含めないものとする2)
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そのうち、床面積2,000㎡以上の不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する建築物を建築3する場合に設ける1以上の車椅子使用者用便房には、改修等で対応が困難な場合を除き、
原則として大型ベッドの大きさ・設置位置及び介助者の同伴等、多様な動作を考慮するとともに、座位変換型の(電動)車椅子使用者が360°回転できるよう、直径180㎝以上の円が内接できるスペース1を設ける。
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便器の正面及び側面に、車椅子使用者が車椅子を近づけて、便器に移乗するためのスペースを設ける。
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便房内の設備等の形状、配置によって、必要な広さ・内法寸法は変わることに留意する。
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複数の車椅子使用者用便房を近傍に設ける場合には、車椅子使用者が便房へのアプローチや移乗方法を選択できるよう、便器を左右対称に設けることが望ましい。
車椅子使用者用便房の例
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床面積2,000㎡以上の不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者障害者等が利用する建築物の建築する場合に設ける車椅子使用者用便房の例>
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設計例
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③ 戸の形式
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車椅子使用者用便房及び当該便房が設けられている便所の出入口に戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他の車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないものとする。
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車椅子使用者の利用に配慮し、円滑に開閉して通過できるよう、戸は軽い力で操作できる引き戸とする。可能であれば自動式引き戸とする。
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操作性を確保するため、取っ手等の位置や形状に十分配慮する。
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ア.手動式引き戸
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取っ手は棒状ハンドル式等、握りやすさに配慮したものとする。
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自閉式上吊り引き戸(ストッパー若しくは一時停止装置又は自動閉鎖時間の調整機能を持ち、閉まり際で減速するもの)とすることが望ましい。
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鍵は車椅子使用者が操作しやすい高さに設置する。
イ.自動式引き戸
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施錠の操作がしやすいものとし、緊急の場合は外部からも解錠できるものとする。
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介助者等による外からの戸の開閉に関わらず、高齢者、障害者等が便房内にいる状態では便房内の照明・換気扇等が停止しない機能を有するものとする。
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戸の開閉盤(開閉スイッチ)は、電動式の戸の場合、車椅子使用者が中に入りきってから操作できるよう配慮する。
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戸の開閉盤は、戸から70cm以上離して設置し、その設置高さは100cm程度とすることが望ましい。
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使用中である旨を表示する装置を設置する。
留意点:ドア開閉盤
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自動式引き戸のドア開閉盤は、手かざしセンサー式が使いにくい人もいることから、操作しやすい押しボタン式とすることが望ましい。
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自動式引き戸については、「多機能トイレ用自動ドア安全ガイドライン」(JADA-0006)(全国自動ドア協会)による。
留意点:多機能トイレ用自動ドア安全ガイドライン
- 本ガイドラインには、自動ドアの挟まれ防止、衝突防止その他の対策について、建築設計者、発注者、自動ドアの製造者、販売者、施工者、点検整備者及び建物管理者等が留意すべき点が示されている。
④ 部品・設備等
- 車椅子使用者用便房には、腰掛便座、手すり等を適切に配置する。
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- 部品・設備等の設置にあたっては、車椅子使用者の動作空間に配慮し、ドアの開閉動作等の支障とならないよう、配置に留意する。
ア.便器
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腰掛便座とし、床置式便器又は壁掛式便器とする。
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車椅子で接近できるよう、床置式便器の前面は、フットサポートが当たりにくく、トラップ突き出しの少ない形式等とする。
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座面高さは、車椅子から便座に移乗しやすいように配慮し、蓋のない状態で、42~45㎝程度とする。
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高齢者、障害者等の利用ニーズや施設用途、利用者の体格等を踏まえて、座面高さは適切に設定することが望ましい。
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座位を保てない人の姿勢の安定に配慮し、便座には背もたれを適切に設ける。
イ.手すり
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腰掛便器からの立ち座りや車椅子から腰掛便器への移乗を容易にするために、手すりを設ける。
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手すりは腰掛便座の両側に水平、垂直に取り付ける。
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介助等を考慮し、片側の手すりは跳ね上げ手すりとする。
ウ.紙巻器、洗浄ボタン等
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紙巻器、洗浄ボタン等はJIS S0026による配置等とし、腰掛便座及び車椅子に座った状態で手が届く範囲位置に設ける。
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便器洗浄ボタンは、手かざしセンサー式だけの設置は避け、操作しやすい押しボタン式、靴べら式等を併設する。
留意点:便器洗浄ボタン
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手かざしセンサーが使いにくい人もいることから、手かざしセンサー式とする場合には押しボタンを併設する。
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呼出ボタンは、腰掛便座及び車椅子に座った状態で手が届く範囲と、床に転倒したときにも届くよう、側壁面の低い位置にも設ける。
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車椅子使用者用便房の出入口の廊下等には、非常呼出表示ランプを設け、事務所や防災センター等に警報盤を設ける。
エ.洗面器、鏡
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洗面器下部には車椅子使用者の膝が入るスペースを確保する。
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洗面器に手すりを設ける場合は、車椅子使用者の利用に配慮した位置に設ける。
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水栓金具は、センサー式、光感知式等、操作の容易なものとする。
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吐水口の位置は、車椅子使用者の利用に配慮した位置(洗面器の手前縁から30㎝以内とすることが望ましい。)とする。
留意点:洗面器
/images/2-7/image21.tiff" style="width:3.07569in;height:3.50069in" /・洗面器は、車椅子から便器へ前方、側方から移乗する際に支障とならない位置、形状のものとする。
留意点:手洗い器の位置
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便座に腰掛けた状態で手を洗いたい場合もあるため、便座から手が届く位置に小型手洗い器を設けることも有効である。
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鏡は、洗面器にできる限り近い位置を下端とし、上端は洗面器から100cm以上の高さとすることが望ましい。
留意点:鏡
- 傾斜式鏡は主に車椅子使用者を想定して開発されたものであるが、近年車椅子使用者の座高が多様化し使用しにくい。洗面所の鏡は傾けず、設置高さを下げることでだれにでも利用できるようにする。
オ.手荷物置き台、フック、ごみ箱
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手荷物置き台や小物・衣類をかけるフックを設ける。
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フックは、立位者、車椅子使用者の身体に衝突する危険のない形状、位置とするとともに、1以上は車椅子に座った状態で使用できるものとする。
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ごみ箱を設ける場合は、腰掛便座又は車椅子に座った状態で手が届く範囲に設ける。
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戸の開閉や施錠の操作が円滑に行えるよう、戸の付近にはごみ箱等を設けない。
車椅子使用者用便房の例
/images/2-7/image22.tif" style="width:5.97153in;height:3.72431in" /
カ.オストメイト用設備
- 車椅子使用者用便房が複数設置される場合は、そのうち1以上にオストメイト用設備を設けることが望ましい。
キ.大型ベッド
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1以上の車椅子使用者用便房には大型ベッドを設ける。
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車椅子から大型ベッドへの移乗動作や介助者の動作を考慮し、便房内には十分なスペースを確保する。
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大型ベッドの設置位置は、介助者の作業のしやすさや大型ベッドからの片側への転落を防止し、安全性の確保等に十分配慮したものとする。
留意点:大型ベッドの寸法
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大型ベッドは、介助によって着替え、おむつ交換、排泄等を行う際に使用されるものである。
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大型化を求めるニーズもあることから、大型ベッドの寸法は、施設用途や利用者のニーズを踏まえて決定することが望ましい。
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折畳み式大型ベッドを設置する場合には、車椅子に座ったままでも畳める構造、位置とすることが望ましい。
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戸の開閉や施錠の操作が円滑に行えるよう、戸の付近には大型ベッドを設けない。
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緊急時において、折畳み式大型ベッド等を使用している状態でも人の出入りができるよう、大型ベッドの位置と出入口の位置関係に配慮する。
留意点:大型ベッドの折り畳み忘れ
- 折畳み式大型ベッドを使用した後は、利用者は折り畳み忘れなく、元に戻して退出する。次の利用者が円滑に入室できることが必要である。
折り畳み式大型ベッド(幼児~大人まで)の例
〇短辺方向に折り畳む大型ベッド 〇長辺方向に折りたたむ大型ベッド
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設計例
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設備背後及び下部のライニング部若しくは箱状の設備機器、又は壁付け固定の備品(大型ベッド、乳幼児用椅子、乳幼児用おむつ交換台等の折り畳み時の場合を含む)のそれぞれの壁面から突出する部分の幅の1辺の合計値が、接する壁1辺の長さの1/2を超える場合には、当該部分の奥行きは内法寸法に含めないものとする。ただし、ライニング等の下部で床上高さ40cm以上を確保し、足元スペースが有効である場合には、奥行き20cmまで有効内法寸法に含めることができる。
(3)オストメイト用設備を有する便房
① 設置数、配置
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便所のうち1以上(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上)には、オストメイト用設備を有する便房を1以上設ける。
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便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)が設けられている階ごとに、当該便所のうち1以上に、オストメイト用設備を有する便房を設けることが望ましい。
② 出入口の有効幅員、空間の確保等
- 出入口の有効幅員は、65㎝以上とすることが望ましい。
③ 部品・設備等
ア.便器
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- 腰掛便座とし、床置式便器又は壁掛式便器とする。
ア.汚物流し等
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パウチや汚れたもの、しびん等を洗浄するための汚物流し(洗浄ボタン・水栓を含む)、紙巻器を設ける。
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ストーマ装具を交換する際に腹部を洗浄することがあり、水栓は温水が出る混合水栓であることが望ましい。
留意点:汚物流し等
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腹部等を洗浄しやすいよう、水栓はハンドシャワー型であることが望ましい。
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利用者の身長によって使いやすい汚物流しの高さは異なるため、汚物流しの高さが調節できると使いやすい。
イ.手荷物置き台、フック
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ストーマ装具や関連の小物等を置くことができる十分な広さの手荷物置き台(カウンター)を設ける。
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小物・手荷物やコート等の衣類をかけるフックを複数設ける。
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ストーマ装具の装着や身だしなみを確認するための鏡を設ける。
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ストーマ装具の廃棄等に配慮し、汚物入れを設けることが望ましい。汚物入れはパウチ等を捨てることを考慮した大きさのものとする。
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ストーマ装具の装着のための衣類の脱着、着替え等に配慮し、汚物流しの近くに着替え台を設けることが望ましい。
オストメイト用設備を有する便房の例
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汚物流し(オストメイトに配慮した設備)の例
/images/2-7/image3.tiff" style="width:5.68194in;height:2.525in" /
(4)乳幼児用設備を有する便房
① 設置数、配置
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施設用途や規模等を考慮した上で、便所のうち1以上(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上)には、乳幼児用設備を有する便房を1以上設ける。
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大型の商業施設等の便所には、乳幼児用設備を集約した区画スペースを確保することが望ましい。
② 出入口の有効幅員、空間の確保等
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出入口の有効幅員は、65㎝以上とすることが望ましい。
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乳幼児用設備を有する便房は、ベビーカーとともに入ることの可能なゆとりある広さとする。
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戸が内開き戸の場合、戸の開閉動作に支障がないよう、便器前のスペースにゆとりある広さを確保する。
③ 部品、設備等
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便器は腰掛便座とし、床置式便器又は壁掛式便器とする。
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乳幼児用椅子、乳幼児用おむつ交換台等を設ける。
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乳幼児用椅子は、便座に座った状態から手が届く範囲、又は便器の前方の近接した位置に設けることが望ましい。
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手荷物置き台や小物・衣類をかけるフックを設ける。
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乳幼児用おむつ交換台から目や手を離さずに利用できる位置に、荷物置き場やおむつ用のごみ箱等を設けることが望ましい。
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乳幼児用おむつ交換台は落下防止措置が講じられたものとする。
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乳幼児用おむつ交換台を利用する乳幼児に対し、照明の光が直接目に入らないように、器具の配置に配慮する必要がある。
留意点:乳幼児用おむつ交換台
- 乳幼児用おむつ交換台は乳幼児を寝かせた状態でのおむつ交換に適しており、転落等の可能性のある幼児の立位姿勢でのおむつ交換、排泄前後の着脱衣には、着替え台が適している。
乳幼児用おむつ交換台(生後1ヶ月から2歳半程度の例
乳児用椅子(生後5ヶ月~2歳半程度)の例
〇壁・床取り付け方式 〇壁取り付け方式
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設計例
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